ミロクの扉を拓く〜未来の社会デザイン『万人幸福の栞』第3条「運命自招」 ④〜不遇を大幸運と輝かせた人
ミロクの扉を拓く〜未来の社会デザイン 2026.07.11
#979-557
不安や恐れのないみんなが
安心して幸福に暮らせる社会
地球に優しい循環型システム
エコタウン創りに邁進する
青森の未来を考える会
代表の姥澤(うばさわ)です✨️
前回の三つの言葉
「運は勇者を寵愛す」
「機会は前髪をつかめ」
「天は自ら助くる者を助く」
言葉としては、わかります。
でも、こう思う人もいるでしょう。
「それは、恵まれた人の話でしょう」
丸山敏雄先生は、
まさにそこを突いてきます。
第三条の本文が挙げるのは、
世界でもっとも不遇と呼べる
境遇を生きた人たちなのです。

一人めは、塙保己一
江戸時代の国学者。
竹秋先生の『解説』によれば、
七歳で失明した盲目の大学者です(九一頁)。
その保己一が、
日々『般若心経』を読んで心をむちうちながら、
生涯をかけて成し遂げた仕事
『群書類従』の編纂でした。

古代から江戸初期に
至るまでの膨大な文献を、
記憶をたよりに整理分類し、
集めあげたのです。
正編は千二百七十種、五百三十巻。
続編は二千百三種、千百五十巻。
目が見えないまま、です。

竹秋先生は言います。
もしこの業績がなかったら、
古文献の多くが散逸してしまったでしょう(一〇〇頁)。
日本の古典が今も読めるのは、
この盲目の大偉人のお蔭にほかなりません。
二人めは、ヘレン・ケラー
生後一年半で、
ひどい熱病が脳と胃をおかしました。
目が見えず、耳が聞こえず、話せない。
いわゆる三重苦です。

『解説』には、その苦労が
細やかに記されています(九四頁)。
「湯呑」の「湯」と「水」の
区別を教えるだけでも
なかなか覚えられず、
癇癪(かんしゃく)を起こして人形を投げつける
そんな日々でした。
その彼女に、光を灯したのが
家庭教師サリバン女史でした。

サリバン女史は、
水を静かに彼女の手に流しながら
Water という語を覚えさせた。

この一語から、
ヘレン・ケラーの世界は開けていきました。
やがて彼女は
ハーバード大学附属ラドクリフ女学校を卒業し、
英国史、英文学、ドイツ語、ラテン語を修め、
盲人事業に生涯を捧げます。

竹秋先生が引く
彼女自身の言葉が、
胸を打ちます。
「きっとこの世の中に何か一つ私でなければ出来ないものがある……」
そして、こう続きます。
「私どもは、誰でも自分でなければ出来ない仕事をしております。それは自分の個性を輝やかすということになるのです」(一〇六頁)
本文は、この二人の師弟を並べて、
こう言い切ります。
「いかにそのチャンスを捕えて教育して、この三重苦の大天才を生み出したか。これを思うと、盲目という一見不遇のさだめは、一転して大きい幸運と輝きわたった。」(三六頁)

一転して。
盲目は、消えたわけではありません。
三重苦は、
最後まで彼女とともにありました。
けれども、その「変えようのない事実」が、
努力によって、大きい幸運へと輝きを変えたのです。

竹秋先生は、
ここに大切な言葉を置いています。
運命は宿命とは違う。「運」の文字が示す通り、これからどのようにもめぐり変わっていくもの(一〇一頁)。
塙保己一もヘレン・ケラーも、
生まれ持った境遇を選べませんでした。
でも、その境遇の中で、
自分にしか出来ないことを見つけ、
そこに全力を注いだ。

私には五体があります。
目が見え、耳が聞こえ、話すことができます。
そのことを、
当たり前だと思って過ごしてきました。
「何か一つ、私でなければ出来ないもの」
それを本気で探したことが、
はたして一度でもあったでしょうか?
次回は、いよいよ第三条の核心へ。
「境遇は、その人の心の通りに変わる」という一節を、
一人の炭鉱夫の物語から見ていきます。
弥栄✨️
最後までお読みいただき、
ありがとうございます😊







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